2004-10-31 Sun

トップランナーにDJ KENTARO出演

「No Wall Between The Music」をキーワードに世界中でテクニックを披露しているDJ KENTAROがNHK教育テレビのトップランナーに出演しました。

DJ KENTAROのターンテーブルから繰り出される音は非常に奇妙でした。趣味程度にであっても作曲を趣味にしている私にとって常識外の音で「どうやっているのかな?」と食い入るように見ていました。

DJ KENTAROは1982年生まれで、13歳ごろにDJになると決めたそうです。19歳ごろには国内の大会を総なめにし、DMCというルーティンを披露する世界大会で日本人として初優勝しました。アジア人が欧米において音で勝つことは大変なことです。

DJテクニック講座は、スクラッチ、クラブスクラッチ、ビートジャグリングでリズムが当倍、2倍で聞こえるような演奏、ビートトリックでは足のした、背中の後ろなど、リズムキープが難しいものを披露しました。一番驚いたのはレコードに紙を5mmほど、レコード穴から放射線状に張って再生することで、規則的に音を遮断しノイズを作りビートを構成するというテクニックです。これはDJ KENTAROのオリジナルテクニックだそうで、大変驚きました。さらに。トーン弾きというギターやシンセサイザーなど同じ音位置によって違うピッチでがひたすら入っているレコード(外円ほど音程が高い?)を使い、再生中にピッチや針の位置を変えて音程を変えるというテクニックを披露していました。

ライブ演奏では、トーン弾きと紙を張ったレコードでダンスロックのようなルーティン、トーン弾きによる童謡さくらをアレンジした演奏を含んだルーティン、武田真治のサックスとコラボレーションを披露しました。私はターンテーブルをコントロールする難しさを知っています。あれは、めちゃくちゃむずかしいです。ドラムよりも入り口が狭い感じです。深さがドラムより深いのかは分かりません。よって、トーン弾きでピッチが正しいピッチからずれても許容できました。しかし、なまじ楽器を正しく扱える人からは許容されないかもしれません。あのルーティンがどれだけすごいかは、ターンテーブルにふれたことがないと分からないですよね。

DJ KENTAROは自分のルーティンについて「ハットスタート→130ビート→・・」など、自分にイメージが分かりやすいメモをのこしていました。インスピレーションを言語化することは大変難しいので、そのようなツールがあると便利かも知れないと感じました。

他にもレコードの穴をずらすことも試したそうです。しかし、これはオリジナルテクニックではないので、やめてしまったそうです。研究の世界と同じですね。

Q&Aコーナーでは、ルーティン入門として教則ビデをを見てスクラッチなどのテクニックを磨き、同じレコードを2枚買い、ビートジャグリングの練習をしてはどうか、と提案していました。ごもっとも。テクノDJも2枚かけするといいんじゃないか、という現場ならではの意見もありました。たしかにつなぐだけでは、テクノDJは他のDJとの差を出しづらいかもしれません。新技はDMC以後生み出せましたか?出せそうですか?という質問には「ターンテーブルは不器用な楽器で、限界がある。でも、じっと考えるとターンテーブルには限界がないと思う、ターンテーブルには、まだ可能性がある。ターンテーブルの可能性はは無限大だ」と発言していました。ターンテーブル自体が非常にアナログな機械なので、テープなど旧来のアナログ的録音技術が応用できるかもしれないと感じました。

まとめとして、「ターンテーブルという不器用な楽器に誇りをもつミュージシャンになりたい。ターンテーブリズムを胸にターンテーブルでも演奏ができる人間になりたい」と発言していました。私としてはDJ KENTAROのルーティンは演奏といってかまわないと感じました。

DJ KENTAROはまだ、CDをリリースしていません。これほどのテクニックをもっていてリリースできないというのは、ターンテーブル捌きの分かりづらさがあるのかもしれません。なにしろ難易度を実感しづらいのです。DJ KENTARO自身、小学校の2年間ピアノをやっていたそうなので作曲をすればいいと思うし、上ものをつくることができるコンポーザーと組んでリズムに徹するなどすると、おもしろいのではないかと感じました。DJ KENTAROは、打ち込みなしでリズムを刻むってことであればドラマーと同じですから、他のアーティストの作品、特に海外のアーティストの作品に参加しやすくなると感じました。

投稿者:としのり  日時:23:59:59 | コメント | トラックバック |