英和辞典の辞書引きを自動化する『ずるっこ!』の思想がすばらしすぎる件

少し前に、僕は久々にWebサービスを見て呆然としました。
その Web サービスは『ずるっこ!』という名前でした。

20110207_01
- ずるっこ!
-- http://zurukko.jp/

僕は『ずるっこ!』を使うと人生がちょっとだけ変わるんじゃないかと思います。

特にこれからの英語学習には必須の重要Webサービスだと思います。
昨日書いた、本気で英語学習をはじめる人のための参考書まとめでも紹介しました。

この記事では『ずるっこ!』について、僕が感じたことを書きます。


『ずるっこ!』とは?


『ずるっこ!』は、Web ページの英単語の上に日本語の意味を自動でルビ振りをしてくれます。

例えば以下の「Judging User Happiness : WooThemes
」という記事に『ずるっこ!』で意味を付与してみます。

20110207_02

そうすると上の画像のような英文が、以下のようなルビ付きの英文になります。

20110207_03

このルビを振ったページは以下のURLを持った固有のページとして生成されます。

http://www.woothemes.com.zurukko.jp/2011/02/judging-user-happiness/


URLのホスト部が zurukko.jp のサブドメインになるのがユニークだと思いました。

ようするに『ずるっこ!』は何をしてくれてるのか


ずるっこが自動化している処理は、英文を読んでいるときにありがちな以下のような行動。

わからない単語があったときに単語を調べる
↓
意味を覚えなかった単語は何度も調べる
↓
そのうちに身に付くようになる


「ずるっこ」は上記の流れを自動化している。

自動的に単語の和訳をルビでふる。
↓
意味を覚えている単語からルビを消す/意味を忘れた単語はルビをふる
↓
そのうちに身に付くようになる


結論は同じだがけど後者の方が圧倒的に速く結論に到達する気がします。

『ずるっこ!』はどんな風に人生を変えてくれるのか


『ずるっこ!』は英語学習にありがちな「分からない単語があったときに英和辞典をひく」という行動を自動化してくれます。
それによって例えば「英文を読むことに集中する」など、辞書をひくことに使っていた時間を別のことに使えます。

これってスゴイと思いませんか?

僕はすごいと思うのです。

なぜなら、時間が余ったら明らかに別のことができます。
そのちょっとの余り時間の積み重ねは、人間の人生を変える可能性をたっぷり持っていると思います。

今までに僕は英和辞典をいったい何度ひいてきたでしょうか。
覚えてませんが、かなり長時間だと思います。

1 単語調べるのに電子手帳を使っても 10 秒以上かかります。
1 単語 10 秒という神のようなペースをキープし続けても 8600 語位調べたら丸々 1 日分になってしまいます。

この単語の意味を調べる時間は単語の意味を記憶するうえで確かに大切ですが、例えば英語で当日のニュースを読むときには、その時間をいちいち確保してられません。
だって、僕は読みたいニュースが沢山あるのです。
でも意味が分からない単語を放置すると、そのニュースを読んでいる途中で文章全体の意味が分からなくなって困ります。

英英辞典をひくと意味が文で表現されるのでルビ振りできませんけど、英和辞典なら英単語が持つ意味のうちどれか一つを選ぶことでルビ振りできます。

ルビ振りするために表示する英単語の意味を1つに絞ることで、意味の多義性が表面上犠牲になります。
しかし人間は賢いので、英文を流し読むときに「ルビが文脈に合っているか、合っていないか」をなんとなく感じることができます。
合っていないときは、改めて英和辞書や英英辞書をひけば良いのではないでしょうか。

『ずるっこ!』のどのあたりが気に入った?


でも、こういう感じでルビを自動で付与するアプリケーションは今までにもあった気がします。
または、あっても不思議ではない気がします。

たとえば以前に僕は、テキストをローマ字化するゲートウェイサービスを作ったことがあります。
そのサービスを少し改変すればルビ振りができます。
テキストへのルビ振りは単語の区切れ目が分かっていればとても簡単なのです。
# デザイン性をどう高めるかは別の難しさがありますが

この『ずるっこ!』の機能のうち、素晴らしい機能だと僕が感じたのは『意味を知っている単語にはルビを振らない』機能です。
僕が「翻訳する必要がない」と思っている単語にはルビ振りされないのです。
巧妙なストレスを減らすしくみが最初から実装されており、とても感動しました。

自分が意味を知っている単語を『ずるっこ!』に反映する方法は単に英単語をクリックするだけ。
シンプルで素晴らしい。これだけシンプルなら全く面倒じゃないので、度々使う気になります。

開発者は誰?


しばらく使った後、あまりに良くできているので開発者が誰なのか気になって調べてみると、
開発者は「SoftEther」という名前のアプリを開発したことで有名な登大遊さんでした。

- 新しい Web サービス「ずるっこ!」を公開しました

学生のころ何度か「SoftEther」のお世話になっていたのですが、またお世話になります。
どうもありがとうございます。

「繰り返しの自動化」という基本を具現化した素晴らしさ


「同じような事を定期的に繰り返していたら自動化する」のは、ソフトウェア開発の基本の一つだと思います。

英語学習の際に「辞書を引く」という定期的にやっている事に疑問を感じて自動化したのは、すばらしい実行力だと思います。

僕は英文を読むときに辞書をひくことを繰り返していましたが、
辞書引きが面倒になったら英文を機械翻訳にかけて、
翻訳文と英文をあわせて読んだりして辞書を引く回数を減らしたりしてました。

しかし、「ずるっこ」のアプローチだと知らない単語の意味の雰囲気を感じつつ英文を読む事ができます。

翻訳された日本語の文を目の当たりにすると、その文の日本語が間違っていても、どうしても引っ張られてしまいます。
英文の意味を解釈するときに目に映る文から、翻訳によって表現のニュアンスが抜け落ちないので、正しい意味に速く到達できると思います。

そして何よりまだまだ翻訳結果を鵜呑みにするには精度が低過ぎる各社の翻訳サービスで翻訳しなくて良いです。

僕は『ずるっこ!』を見たときに呆然としました。
「何で僕はこういうのを作れなかったんだ」と感じて、すごく悔しかった。
なので、もっと頑張ることにしました。

おわりに


ここから先の『ずるっこ!』の発展としては、

- 他言語に対応する
- 統計的機械翻訳技術を使って翻訳して単語アライメントをした結果を活用し、文脈によって変わる意味に対応
- 辞書資源のインポートを可能にする
- ユーザコミュニティを組織して新語に対応する

などが考えられるかもしれません。

と思ったら、すでに中国語版を公開されていたそうです。

- 「ずるっこ!」(zurukko.jp) の中国語版「鼠坐垫!」を公開しました
「ずるっこ!」 (http://zurukko.jp/) の中国語版「鼠坐垫!」を作成して公開しました。
日本語版の「ずるっこ!」と同様に、英語の意味がルビで表示されます。もちろん中国語で表示されます。


本当に素晴らしいですね。

僕もこういう感じで人間の人生を少し変えられるサービスを作りたいです。

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- [O] 本気で英語学習をはじめる人のための参考書まとめ
-- http://diary.overlasting.net/2011-02-06-1.html


投稿者:としのり  日時:23:59:59 | コメント | トラックバック |
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